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屋上も多種多様!見分け方を簡単に説明

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概要

皆さんは建物の屋上を見たことはありますか?屋上は日々の雨を一番受けるところです。そのため、建物内に漏水を発生させないよう施工されています。
もし何も施されていない建物があるとしたら、雨風にさらされすぐに劣化してしまいます。そのため建物にはさまざまな工法が施されており、塗り替えの改修の際には工法の確認が重要になります。今回はこの工法について、簡単な説明と見分け方を紹介していきます。

目次

なぜ確認が必要なのか。

なぜ確認が必要なのか。

どうして工法の確認が必要か、皆さん疑問に思われたのではないでしょうか。
ただ現状の上から塗装すればいいだけじゃないの?と思われた方もいると思います。
実は、どんな工法がされているかによって上に塗る工法が決まるのです。
間違った工法をしてしまうとさまざまな不具合が生じる可能性があります。
私もこの業界のことを知るまでは、上からただ塗ればいいと思っていました。
ですが、同じように考えてさまざまな失敗している現場も数多く見てきましたので、安易に考えず確認は必ず行いましょう。

アスファルト防水

アスファルト防水の画像

アスファルトルーフィング類を溶融アスファルトなどで接着させ、積層させる工法です。
数ある防水工法の中では一番歴史が古く、なんと100年以上前から使用されていた防水工法になります。
この工法は学校、マンションなどの屋上や屋根で多く採用されています。

メリットデメリット
古くから使われており信頼性が高い(100年以上の実績)工法によっては強い臭気がある
耐久性が高い(耐久性が20年程)重いため建物に荷重がかかる
品質が安定している(成型品のため品質が一定)職人の高い技術が必要
複雑な形状に不向き
熱に弱い

アスファルト防水の見分け方

アスファルト防水の見分け方

工法によってさまざまな形状のものがありますが、ルーフィングの表面上が風化している様子になります。かなり劣化が進んでいると、細かい砂がポロポロ取れやすくなっている状態となります。またトップコートにシルバー系の塗料が塗られている場合があります。

【アスファルト防水の見分け方】

  • 表面上の風化
  • シルバー系のトップコート

アスファルト防水の形状

シート防水

シート防水の画像

上記の写真はどちらもシート防水ですが、種類の違うシート防水になります。どこに見分け方があるかお分かりでしょうか。
見た目の違いもありますが、左が塩ビシート、右が合成ゴムシートです。
50年以上の実績のある工法で、アスファルト防水よりは作業性が良い防水工法になります。
アスファルト防水同様、学校やマンション、戸建て住宅にも多く採用されています。

メリットデメリット
凹凸が発生しないシートの重なり部に注意が必要(漏水の原因)
作業工程数が少ない複雑な形状には不向き
品質が安定している(成型品のため品質が一定)

合成ゴムシートの見分け方

合成ゴムシートの見分け方

合成ゴムシートは基本的に密着工法という工法になります。
※密着工法とは名前の通り接着剤を用いて下地と密着させる工法です。

合成ゴムシートは伸縮性に優れていますが、紫外線で劣化しやすく、膜が薄いため衝撃に弱いという特徴があります。

シートの重なり部分が10㎝程で、シートの上にシルバー系のトップコートが塗装されていることが多いです。

【合成ゴムシートの見分け方】

  • シートの重なり部分が10cm程
  • シルバー系のトップコートがされていることが多い

合成ゴムシートの形状

塩ビシートの見分け方

塩ビシートの見分け方

塩ビシートの工法は合成ゴムシートと違い2種類あります。

  • 密着工法
  • 機械固定工法

上記写真は機械固定工法になります。

※機械固定工法は密着工法と違って下地と密着しておらず、通気シートが中にある場合があり、脱気筒から下地の水分を逃がしてくれるような工法になります。

塩ビシートは耐摩耗性が高いのですが、経年で硬くなり破断しやすくなります。

シートの重なり部分は4㎝程で、シートに色がついていることがありグリーン系が多いです。

【塩ビシートの見分け方】

  • シートの重なり部分が4cm程
  • 機械固定がされている
  • シートの色がグリーン系

塩ビシートの形状

シート防水まとめ

見分け方のまとめはこちらです

シートの種類重なり幅工法
合成ゴムシート10cm程トップコートにシルバー系密着工法
塩ビシート4cm程シートの色がグリーン系もある密着工法
機械固定工法

ぜひご参考になさってください。

FRP防水

FRP防水の画像

FRP防水は繊維強化プラスチック(Fiber-Reinforced-Plastic)の略で、その名の通り繊維を使用しています。
繊維のシートの上に樹脂を流し保護のためトップコートをかけます。
そのため強度が高くなっています。
強度が高い分ゆがみが生じる部分には向いてないため、小さめのベランダやバルコニーに使用されます。

メリットデメリット
耐久性が高い施工できる場所が限られる
防水性が高い(浴槽などにも使用されている)施工単価が高い

FRPの見分け方

FRPの見分け方

先ほどご説明したように繊維を使用しているので繊維があればFRPとなります。また素材が硬いので叩いてみると軽い音がすることがあります。

【FRP防水の見分け方】

  • 繊維があるかどうか
  • 叩いた音が軽いかどうか

FRPの形状

塗膜防水

塗膜防水の画像

塗料を用いた防水工法になります。
複雑な形状に対応しており屋上、ベランダなどさまざまな場所で使用されています。
市場としてはウレタン樹脂を用いた厚みのある塗膜防水が主流です。

メリットデメリット
工事後の補修が容易技術により仕上がりの差が出る
継ぎ目のない仕上がりメンテナンス頻度が短い
複雑な形状に対応

塗膜防水の見分け方

塗膜防水の見分け方

今までのシート防水とは違い、継ぎ目がなければ基本的には塗膜防水となります。またこのような複雑な形状の所にも施工されていることも特徴です。

【塗膜防水の見分け方】

  • 継ぎ目がない
  • 複雑な形状も施工されている

コンクリート

コンクリートの画像

上記はコンクリート仕上げです。
防水の工法ではありませんが、コンクリートの仕上げもあるためご紹介します。
基本的には中に防水層があり、表面はコンクリートで仕上げています。
コンクリート仕上げは建物が揺れたときに割れが起きないよう、目地という溝が切られています。
また、改修の際にはコンクリートから抜けてくる水分で膨れが起きる可能性があるため通気緩衝工法と呼ばれる工法を推奨しています。
脱気筒(脱気盤)と呼ばれる湿気を逃がす器具を用いて、完全に蓋をせず膨れを防ぐ必要があります。

脱気筒(脱気盤)の画像

まとめ

防水工法のまとめ

今回はさまざまな防水の工法の見分け方をご紹介しました。
塗り替えの改修を検討する場合には、必ず必要になる知識といえます。
例えるなら、料理と同じように今どんな味なのかを把握した上で、何の調味料が必要かといった感じになります。
一般的にシート防水の上の塗り替えで塗膜防水をする場合は、シートを撤去する場合が多く、そのためシートの撤去費用がかかることがありますが、アトミクスでは今回ご紹介した防水工法すべてに対応し、さらに簡単に塗り替えを行うことができる製品を販売しております。
製品については別のコラムでご紹介していますのでぜひご覧ください。

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