床
下地別プライマーの選定方法
概要
工場床の改修において、下地別によるプライマー(下塗り剤)の選択は、非常に重要なファクターになります。なぜなら、十分に下地処理をしたにもかかわらず、用途違いのプライマーを塗装してしまったり、プライマーを使用せずに進めることで、後々になってはがれてしまう可能性があるからです。せっかくお金をかけたのにすぐにはがれてしまうことがないよう、適切なプライマーの選定方法を紹介していきます。アトミクスでは、さまざまな下地に対応できるよう豊富なプライマーを揃えています。
目次
どうやってプライマーを選ぶの?
ひとえに工場の床といっても、その下地は工場の用途や作業内容によって様々な状況が存在します。
食品工場であれば、水・お湯・植物油など、自動車整備工場なら、重量物・機械油・工具などを使用するため、床面に物を落として損傷したり、油などが床に浸って作業に影響を及ぼすこともあります。
また、物流倉庫では表面強化剤をコンクリートに塗布したり、強化コンクリートと言われる特殊なコンクリートを施工されていることが多くあります。
工場の形態によって求められる床の性能はそれぞれ異なるため、まずは、どのような下地なのか?見極めることが大切です。
どのような下地が存在するの?
以下は床面として一般的な下地です。この中でも、工場床として使用されている下地はさらに絞られますが、重要な情報になりますのでぜひ参考にしてください。
基材編
- 普通コンクリート(屋内)
- 湿潤面コンクリート
- 油面コンクリート
- 強化コンクリート(カラコン)
- 強化コンクリート(フェロコン)
- 既設アスファルト
- 表面強化材(ケイ酸系)
- 硬質塩ビ板
- Pタイル
- 磁器タイル
- 御影石
- ガラス
- コンパネ・合板
- ステンレス
- アルミニウム
- ブリキ板
- 鉄部
- 黒皮鋼板
既存塗膜編
- 水性アクリル
- 溶剤アクリル
- 水性アクリルウレタン
- 溶剤アクリルウレタン
- 水性エポキシ
- 溶剤エポキシ
- 無溶剤エポキシ
- 無溶剤ウレタン
- 水性硬質ウレタン
- ビニルエステル
- MMA
- FRP
下地がわかった!次はどうするの?
どのような下地なのかが分かれば、次は、床面の状態の確認です。
床面と塗り床材をしっかり密着させるために、プライマー工程があります。
コンクリートならひび割れや、凹凸、段差など。
既存に塗膜がある場合ははがれや油が染みているなど状況はさまざまです。
床面の状況に応じて選択するプライマーは変わります。
このプライマー工程を省いてしまうとはがれ、密着不良に繋がりますのでしっかり状態の確認をしましょう。
ここでは、下地に不具合が何もない前提からのプライマー適性をご案内します。
下地に不具合があり、補修をお考えの方は、別途、「下地補修のセルフリペア」のコラムをご覧ください。
プライマー説明
工場を運営しているお客様が、どのような床面にしたいのか?のお手伝いをします。
一般的な選択肢としては、
自社施工か?工事依頼なのか?
厚膜型か?薄膜型か?
水性型か?溶剤型か?無溶剤型か?
が決まっている場合は、比較的選択肢が絞られます。
例1:自動車整備工場の既設コンクリート(屋内作業場)、油潤面、自社塗装希望、水性型薄膜型といった希望があるとします。
この場合の仕様例としては、油潤面(油が染みこんでいる状態)だと塗装してもはがれてしまうため、コンクリートを洗浄するために
- オイルオフクリーナーによる床面洗浄
- 「フロアトップアクア油面プライマー」
- 「フロアトップアクアフォルティス」(2回塗り)
例2:食品工場既設のエポキシ塗膜のはがれ(下地は強化コンクリート/屋内荷捌き場)、水・お湯、平らにしたい、工事希望、臭気は発生させたくないといった希望の場合
- 施工箇所周辺の養生
- 下地エポキシの撤去と強化コンクリート面の研磨と真空掃除機による清掃
- 「「フロアガードU プライマー」施工(水性硬質ウレタン)
- 「フロアガードU G3」施工(水性硬質ウレタン/艶ありフラットな仕上げ)
※上記以外にも下地状況別にさまざまなプライマーをご用意しておりますので、ぜひご相談ください!
相互付着のアドバイス
下地、床面状態が分かった状況からのそれぞれのプライマーや、既存塗膜における相互付着情報をまとめておりますので、ぜひご相談ください!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
床の改修に際しては、下地の把握とプライマー選びがもっとも重要な要素になります。
本サイト内では、自社施工や工事発注のご希望、材料調達や道具の適正に至るまで、お客様のあらゆるお悩みについてご相談を承っております。
ぜひ、貴社工場のあるべき姿に向かってお手伝いをさせていただきたいと思います。
また、他のコラムも有用な情報が詰まっております。
ぜひご覧ください。