屋根
シルバー塗料は要注意~架橋・非架橋の特長と見分け方~
はじめに
今回のコラムでは天然アスファルト塗料(瀝青質塗料)について、その特長と使用時に注意すべき点を解説したいと思います!
まずは、この塗料の主な特長を簡潔にご紹介しましょう。
目次
瀝青質塗料の特長
瀝青質塗料(アスファルト塗料)は、主に瀝青(アスファルト)を基にした塗料です。
この塗料は、防水性や耐候性に優れ、さまざまな用途で広く使用されています。弊社の製品であれば「アスファルーフ」という製品になります。
具体的には、以下のような特性があります。
※なお、瀝青質塗料の一般的な特長となり、一部、アスファルーフには含まれない特長もございます。
- 長期防食性
- 天然アスファルトの表層に、非常に細かいアルミフレークが鱗片状に重なりあって積層することで、酸素や水分といった発錆誘引物質の侵入を防ぎます。この構造により、長期間にわたって優れた防食性を発揮します。
- 防水性能
- 水を弾き、湿気の侵入を防ぎます。特に屋根や地下構造物での使用に適しています。
- 遮熱/断熱性
- 塗膜表面のアルミフレークは光反射性能が高く、また、天然アスファルトは熱が伝わりにくいため、カラートタンのままの場合より室内温度の上昇を抑えることができます。
- 耐久性
- 主成分の天然アスファルトは、アクリル樹脂塗料や合成樹脂塗料では密着しにくいとされる亜鉛鋼板にもよく密着します。また、長期間経過しても金属素地の膨張や収縮に柔軟に追従し、優れた耐久性を発揮します。
- 防音性
- 厚く柔軟な塗膜により、雨滴の衝撃音を緩和し、静かな室内空間を実現します。
- 経済性
- 比較的安価で広範な用途に対応できるため、コストパフォーマンスが非常に高い塗料といえます。
主な用途には、屋根の保護、橋梁の保護、地下構造物の保護などがあります。
また、道路や舗装の保護にも利用され、過酷な環境下でもその効果を発揮します。
そして!!!
瀝青質塗料は塩害地区において多くの実績があり、幅広く使われております!!
どうしても一般的な屋根塗料では、海沿い地域での塗装において錆や劣化などの不具合が発生しやすい傾向があります。瀝青質塗料はその性能により、こうした問題を抑える力を発揮します。錆の発生を防ぎ、不具合を最小限にとどめるため、塩害地域でも信頼性の高い選択肢として支持されています。
瀝青質塗料を見分ける理由
これまで瀝青質塗料の特長をお伝えしてきましたが、塗料を施工してから数十年が経過し、「そろそろ塗り替えたい!!」と思う時期が訪れるかと思います。
皆様の中では環境への配慮も含めて水性塗料への塗り替えを検討される方もいらっしゃることでしょう。
しかし!!
同じ瀝青質塗料を塗り替えする場合には大きな問題点等はないのですが、他のタイプの塗装に変更を考える際には注意が必要です。
現在の瀝青質塗料が「架橋型」なのか「非架橋型」なのかを見分ける必要があるという点です。
架橋?非架橋?それって何?
簡単にご説明します!
- 架橋タイプ
- ポリマー間に化学的な結合(架橋)が形成されることで、塗膜が非常に強固になるのが特長です。
用途:高性能なコーティングや防水材、工業用塗料などでよく使用されます。
- 非架橋タイプ
- 非架橋塗料は、ポリマーが独立して存在し、化学的な結合がないため、比較的単純な構造を持ちます。
用途:一般的な建築塗料や家庭用塗料など、コストを重視した用途に適しています。
具体的な架橋タイプ非架橋タイプの見分け方
簡単に説明をすると
- 塗料用シンナーを塗膜にたらします。
- 少し置いた後にふき取ります。
- 拭き取った部分が黒ずんでいる場合、その塗料は非架橋タイプと判断できます。
理由としては上記にも述べましたように、非架橋タイプは化学的な結合が弱く単純な構造を持っているため、シンナーに反応して塗膜が溶け出してしまうのです。
この特性が塗り替えの際に溶剤系塗料を使用した場合に悪さをしてしまい、縮み、剥がれ、等に繋がってくる恐れがあります!
瀝青質塗料が塗装されている箇所の塗り替えをご検討中の方にとって損はない情報です!
今回は、瀝青質塗料の特長と見分け方についてご紹介しました。
最初は判別が難しい場合もあるかと思いますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!
経験豊富な当社の営業スタッフがお伺いいたします!