床
床の塗り替え前に要確認!既存塗膜との相性について
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目次
はじめに
工場の床を塗り替えたいけど、今の塗料の上にそのまま塗って問題ないか気になると言ったお悩みを抱えていませんか?
もしくは塗り替えたけど、チヂミや剥がれが発生してしまったという経験はございませんか?
今塗られている旧い塗膜を既存塗膜や旧塗膜と呼び、この塗膜と上塗りとの相性が悪いと不具合を起こす可能性があります。本コラムではこれから塗り替えを検討していらっしゃる方必見の、既存塗膜の見分け方と材料選定について解説していきます。
既存塗膜の確認
基本的に既存塗膜の塗り替えは同じ塗料を使うことで、下地処理不足や環境的要因がなければ問題なく付着しますが、そもそも既存塗膜が何なのかを把握しておく必要があります。また、性能の良い塗料を使ってみたい、コストを抑えた塗料に塗り替えたいと言った際にも同様に、既存塗膜との相性があるため、確認が必要になります。
既存塗膜に何が塗ってあるのか控えてあれば良いのですが、塗ったのが昔のことであったり居抜きの物件だったりと既存塗膜がわからないケースがあるかと思います。
既存塗膜を把握する必要性

既存塗膜がわからないまま塗料を塗ってしまうと、上記の写真のようにチヂミが発生してしまうケースがあります。これは既存塗膜が耐溶剤性を有しておらず、溶解力の強い溶剤が既存塗膜に浸透したことに起因します。そのため、事前に既存塗膜が耐溶剤性を有しているか調べる必要があります。
調査方法
既存塗膜に耐溶剤性があるかどうかを判別する方法としてラビング試験があります。布にラッカーシンナーをしみ込ませ、既存塗膜を拭き、その既存塗膜がシンナーで溶けるかを確認します。

既存塗膜が溶剤系一液塗料の場合、粘性が出てきて溶けたウエスに色が付きます。よって耐溶剤性がないとわかります。
指で触るとテープの裏側みたいに粘着性を感じます。

既存塗膜が水性系一液塗料の場合、溶けて色がウエスに付きます。溶剤系一液塗料と違う溶け方をします。
皮スキでこすると消しゴムのカス状に取れていきます。よって耐溶剤性がないとわかります。溶剤系一液塗料と一緒で、指で触ると粘着性が確認されます。
※水性系一液塗料は、最初は溶けにくいので、ラッカーシンナーを含ませたウエスを一定の時間おいて色が付かないか確認が必要です。

既存塗膜が二液塗料の場合、色が多少つく場合はありますが、塗膜は溶けずに大きな変化は見られません。よって耐溶剤性があることがわかります。
※指で触れた場合、粘着性はありません。
このようにラビング試験を行うことで、既存塗膜の耐溶剤性の有無を調べることができ、塗り替え時に溶剤系塗料での塗り替えで良いか判別できます。
しかし、必ずしも耐溶剤性があるから上塗りに溶剤系の塗料を使って大丈夫、耐溶剤性がない塗料の上に水性系だったら問題ないというわけでもありません。
中には使われている樹脂の種類や性能によっては組み合わせがNGなものもあるため、既存塗膜に何が塗ってあるかわからない場合にはテスト施工を推奨することもあります。
現場の声から生まれた床用塗料&幅広い既存塗膜・基材に付着するプライマー
ここまで既存塗膜を確認することの重要性とその方法についてご説明しましたが、弊社アトミクスでは様々な既存塗膜に付着する上塗りとプライマーをラインナップしております。
フロアトップアクアフォルティス(コンク水性二系ウレタン樹脂塗料)

【特徴】
- ・幅広い適応性
- 何が塗られているか分からない既存の樹脂系床用塗料の上にも既存塗膜を選ばず、下地処理さえ行えばプライマーなしで上塗りできます。
- ・高い耐摩耗性
- 従来の水性薄膜床用塗料と比較して架橋密度が高く、約3倍の耐摩耗性があります。ライフサイクルコストを低減できます。
- ・手軽な二液混合
- 電動撹拌機がなくても二液型塗料が簡単に混合できます。
- ・速乾性と耐荷重性
- 独自の配合技術により1時間で歩行が可能になり、8時間で重量物の往来にも対応できます。(気温23℃・湿度50%の場合)
フロアトップアクアプライマー ハエレオ
【特徴】
- ・既存塗膜への強力な付着性
- ほとんどの塗膜に付着するため既存塗膜の塗り替えに最適です。とくに、付着の難しいウレタン系既存塗膜にも強力に密着します。
- ・幅広い素材への対応力
- 強化コンクリートや表面強化材を施したコンクリートにも付着し、塩ビ床タイルへの塗装にも使用できます。添加剤の選択により、さらに幅広い下地に適応できる柔軟性を備えています。
- ・優れた速乾性
- 乾燥が速く、コンクリート用は気温23℃で2時間後、低温5℃でも8時間後には上塗りが可能です。
- ・多様な塗料に対応
- 水性塗料はもちろん、溶剤タイプも上塗りできるため、用途に応じた選択が可能です。また、無黄変のため、屋外でのクリヤー仕上げが可能です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
塗料の性能を最大限発揮するためには、まず既存塗膜の確認が重要になります。
既存塗膜がわからない場合に役立つラビング試験や、様々な既存塗膜に付着するフォルティスとハエレオについてもご紹介させて頂きましたが、現場毎に環境や使用状況が異なり、本コラムに収まらないケースもございます。
アトミクスでは、お客様の自社施工をサポートするため、現場調査や適切な塗料の選定・施工指導まで対応しています。塗料の購入先のご紹介も可能です。
さらに、施工面積が広い場合や下地処理だけを依頼したい場合、高耐久性・耐熱水性・導電などの特別な機能を付与したい場合には、専門業者のご紹介も行っています。
まずはお気軽にお問合せください。
よくある質問
- Q 本当に何が塗ってあっても密着するの?
- A 基本的には広範囲の既存塗膜に密着します。但しワックスが浮上するMMAやFRPには密着しませんのでご注意ください。
また、屋上やベランダに使用している弾性ウレタン防水材に塗布すると密着はしますが後に割れてくる可能性があるので使用しないで下さい。
- Q フォルティスは水を加えないと駄目なのか?
- A コンクウレタン塗料(濃縮ウレタン)なので必ず規定量の水が必要となります。
カタログ表紙に記載させていただいております。