床
綺麗なライン塗装を仕上げる方法
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目次
はじめに
工場や倉庫などで安全区画や動線を明示するためにラインを塗装しますが、施工後、仕上がりの美しさが現場の印象を大きく左右します。
ライン塗装は単純に見えて、実際には「真っ直ぐ」「均一」「滲みなし」に仕上げるための工夫が必要です。ここでは、綺麗なライン塗装を行うための方法を紹介します。
適切な下地処理とプライマーの選定
ライン塗装も通常の床塗装と同様に、下地処理が仕上がりに影響します。汚れや油分、付着が悪い既存塗膜を残したままでは、塗料が付着せず、ラインが剥がれたり、滲んだりします。
適切な下地処理方法
- ① 新設コンクリートの場合、4週間と乾燥養生時間をとって、下地を乾燥させてください。
※ケット水分計Hi520で含水率が5%以下になっていることを確認してください。 - ② サンディングペーパーにて下地表面を擦って表面上に存在するエフロレッセンスやレイタンスなどの粉っぽい層を除去してください。除去しないと粉っぽい層が砕けて剥がれにつながりますので、必ずサンディング処理を行ってください。
- ① 油分を中性洗剤で洗浄して汚れを落としてください。洗浄後、下地を充分に乾燥させてください。
- ② 乾燥後、サンディングペーパーにて汚れの除去も含めて擦って劣化層を除去してください。
- ① 既存塗膜に剥がれがあれば、スクレーパー等で劣化塗膜を除去してください。
- ② サンドペーパーで目荒らしをして汚れを落としてください。
- ③ 油汚れは脱脂洗浄を行ってください。
適正なプライマー選定
| 下地の種類 | 最適なプライマー | 樹脂 |
|---|---|---|
| 普通コンクリート | アトム#800プライマー | 溶剤系二液エポキシプライマー |
| フロアトップアクアプライマーハエレオ | 水性系二液アクリルウレタンプライマー | |
| 油で汚れたコンクリート | #500油面プライマー | 溶剤系ウレタンプライマー |
| フロアトップアクア油面プライマー | 特殊水性二液反応型プライマー | |
| 強化コンクリート (緻密な色付きコンクリート) | 強化コンクリート用プライマー | 溶剤系二液エポキシシリコーン系プライマー |
| フロアトップアクアプライマーハエレオ | 水性二液アクリルウレタンプライマー | |
| 油で汚れた強化コンクリート | 油面強化コンクリート用プライマー | 溶剤系ウレタンシリコン系プライマー |
| フロアトップアクア油面プライマー | 特殊水性二液反応型プライマー |
マスキングの精度
綺麗なライン塗装を施工には、マスキングテープの貼り方が重要です。テープは直線を正確に引くために、定規やチョークラインを用いて基準線を設定します。基準線に沿ってテープを貼りますが、貼った後で確認すると真っ直ぐに見えないケースもあります。
なぜ真っ直ぐに見えないのか???
- ① 下地がうねっていて綺麗なラインに見えない。
- ② ライン幅が均一でなくマスキングを貼って塗装した。
- ③ 壁や柱からライン位置を測って基準線を設けたが壁や柱の位置がずれていた。
この場合は、見え方のバランスでテープの貼る位置を調整してください。
- ワンポイントアドバイス
- マスキングテープによっても引っ張ると歪みがでるものもあり、歪みがない5cm幅の布テープで一定の長さ8~10mくらい引っ張り、基準線の位置にテープを貼っていくのが最適です。
この際、テープを下す際も引っ張ったテープの真ん中を先に貼り付け、基準線がゆがまない様にテープの端をしっかり引張りながら押さえ、浮きや隙間をなくすことで、塗料の滲みを防げます。
テープを押さえても、押さえがあまくなるケースがあり、更にローラーを転がして押さえることで隙間をなくすことができます。
曲線や角部では、柔軟性のあるテープを使い、丁寧に貼り込むことがポイントになります。
塗料の選定と塗装方法
ライン塗装には耐摩耗性に優れた塗料が適しています。工場や駐車場ではエポキシ系やウレタン系が一般的です。塗装はローラーや刷毛を用い、材料の含みをローラーネットでしぼり適量にし、テープ際に沿って軽く押し込むように塗装するとはみ出すことがなく、また滲むことがなく塗装できます。
厚塗りは垂れや段差の原因になるため、薄く均一に重ね塗りするのが理想です。
乾燥とテープ剥がしのタイミング
ライン塗装でよくある失敗は、テープを剥がすタイミングです。半乾きで剥がすと塗膜がテープについて引っ張られてきれいに剝がせない可能性があります。逆に早すぎると滲みがでます。
最適なのは「塗装直後」の状態で剥がすか、「完全硬化」してから剝がしてください。テープを斜めに引くと、綺麗なラインが得られます。
仕上げと乾燥養生の確保
塗装後は仕上がりを確認し、必要に応じて補修を行います。ラインの幅や直線性、色の均一性をチェックし、気になる部分は補修して完成です。
また工場では、使用開始前に充分な養生時間を確保し、歩行や荷重による損傷を防ぐことも重要です。計画を立てて塗装を進めてください。
まとめ
綺麗なライン塗装を仕上げるためには、下地処理・プライマー選定・マスキング精度・上塗り選定・塗装方法・テープ剥がしのタイミング・仕上げ確認・乾燥養生時間という一連の工程を守りながら作業を行うことが重要です。
ラインは単なる目印ではなく、現場の安全を守るための区画線です。細部にこだわり、段取りを徹底することで、誰が見ても美しいラインを実現できます。
是非参考に実施してみてください。
執筆者: 補修一徹