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HACCP対策につながるカビと菌への床対策

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概要

2021年6月1日にHACCPが義務化され、食品関連施設では一層の衛生管理を求められるようになりました。また、食品衛生7Sでは、微生物レベルでの清潔を目標としています。このコラムでは食品を取り巻くさまざまな危害要因のなかから、微生物要因として、特に菌およびカビの性質と対策を考えていきます。

目次

食品工場におけるカビと菌の対策

実はどこにでもいる。菌とカビからのフードディフェンス

目に見えない菌とカビですが、実際は至る所に存在します。
普段は浮遊菌として空気中を漂い、落下して付着菌となり、適した環境下であれば容易に繫殖してしまいます。
人や食品を介して原因となる菌が人体に取り込まれると食中毒になります。酸素がなくても増殖したり、加熱に強い菌もいます。食中毒菌の代表的な例に腸管出血性大腸菌が挙げられます。
一方、カビが発生すると製品の異臭や外観を損なう原因になるほか、カビ毒を生成する種類の場合は、人体に悪影響を及ぼします。
カビは湿度を好むイメージがあるかもしれませんが、種類によって適した環境が異なります。例えば高湿度で生えやすいクロカビ(クラドスポリウム属) 、高温と乾燥に強いコウジカビ(アスペルギルス属) などが挙げられます。最悪の場合、商品の回収や殺菌・殺カビ処理で多額のコストを支払うケースもあります。しかし、こうした処理は一時的な対処に過ぎません。より効果的な対策はないのでしょうか。

菌・カビに対抗できる床とは?

まず、細菌やカビを「つけない」「ふやさない」「やっつける」の三原則を徹底することが大切です。
また、隅々まで清潔な状態に保てるよう、施設全体の構造も考えていく必要があります。
改修計画を立てる場合は、なるべく増殖のリスクは低減したいものです。
そこで、塗り床材でできる対策として抗菌防カビ仕様があります。
例として、弊社の「フロアガードU」シリーズの抗菌防カビ仕様をご紹介します。水性硬質ウレタン床材で、既に厨房や食品工場の床で多くの採用実績があります。細菌の繁殖をコントロールするには、滅菌、殺菌、消毒、除菌、抗菌などがありますが、抗菌とは製品表面の細菌の増殖を抑制することです。
本仕様の抗菌システムはこれまで難しいとされてきた真菌(カビ)にも抑制・防止効果を発揮し、食中毒の代表的な菌であるO-157および黄色ブドウ球菌のみならず、多種にわたるカビおよび細菌に効果があります。
とはいえ「水性硬質ウレタン床材なら、塗装して短期間は抗菌防カビの効果があって当然」
と思われたかもしれません。ですが、「フロアガードU 抗菌防カビ仕様」は全く異なるシステムを採用しています。では、一体どのような仕組みになっているのでしょうか?

ただの抗菌とはひと味違う!キーワードは「忌避効果」

抗菌防カビ仕様のメインシステムは忌避効果です。
忌避効果とは、仮死状態の菌が死ぬまでの間に同種菌に危険信号を発して、同種の菌が近づかなくなることです。
初めに「フロアガードU 抗菌防カビ仕様」に付着した菌が仮死状態になります。すると忌避効果によって活発な状態の菌は自ら去っていきます。仮死状態の菌はやがて死滅し、最終的には、抗菌剤のあるところに菌が存在しなくなります。
耐熱性が高く非流出系であり長期間硬化が持続することに加え、環境負荷物質を含みません。安全性試験においても高い安全性が確認されていますので安心してお使いいただけます。
塗り床材の特性で、立ち上がりと床面を同じ材料で施工可能、R巾木を作ることもできます。よって、作業場の隅々まで清潔な状態を保ちやすくなります。

抗菌性を試験している様子

カビ抵抗性を試験している様子

耐性菌を低減するシステム

菌との戦いにおいてはさまざまな課題がありますが、一つは耐性菌の発生です。
「フロアガードU抗菌防カビ仕様」では、忌避効果を発揮する複合系抗菌剤を配合することで対策をしています。
そもそも、本システムでは忌避効果を利用しているため、金属イオン系などの殺す抗菌剤に比べ、殺す菌の数が圧倒的に少なく済みます。菌が薬剤に抵抗する回数を低らし、耐性菌の発生を低減します。
さらに複数成分で構成しているため、一つの成分に耐性菌が現れても、他の成分で抑えることが可能となっています。
よって、耐性菌ができにくいシステムになっているのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。害を及ぼす細菌や真菌が発生してから対処するのではなく、日々点検し、予防していくことが大切です。弊社では、予防の一環として、機能性のある塗り材料をご提案することで、食品の安全性向上に貢献したいと考えております。
食品工場や厨房、荷捌き場などの修繕の際には、ぜひご相談ください。

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