概要

半導体は、電子機器やスマートフォン、家電製品の制御回路、自動車のエンジン制御など、幅広い分野で使用されており、現代社会において欠かせない部品となっています。
近年、急激に需要が増大する中、熊本県菊陽町や北海道には大手半導体企業が建設され、工場で製造された半導体が供給されることで、半導体不足の解消が期待されています。
これらの電子部品は、厳密に管理したクリーンルームで製造されます。
品質不良を起こす原因の一つに静電気があり、その発生を防ぐための対策が徹底されています。わずかな静電気が流れるだけでも部品の故障の原因となり、不良品は修正か廃棄の対象となります。

静電気対策には、湿度管理やアース設置、イオナイザー、静電服、静電靴、静電リストバンド、そして帯電防止床塗料、マット、シートなど、多角的な対応が必要になります。

今回は、半導体を静電気から守るための対策として、静電気をアースへと逃がす帯電防止床塗料をご紹介します。
静電気対策や品質対策で改善を検討されている企業様はぜひご覧ください。

目次

静電気が起きる原因

冬場の乾燥した日に車のドアに触れて、ビリッとした痛みを感じたことはありませんか？これは、静電気が人から金属に放電される際に起こる現象です。最近では、ガソリンスタンドで給油する前に静電気除電シートに触れるようアナウンスされるため、このような痛みを感じることは少なくなりました。

静電気発生の原因は「剥離帯電」「摩擦帯電」「誘導体電」などのメカニズムが関係しています。
特に作業中に「剥離帯電」や「摩擦帯電」が影響し、人の体に静電気が留まると、その帯電電位が大きくなり、放電してしまうことで静電破壊を引き起こします。
もし半導体や電子部品を扱っている工場で、静電気が放電されたらどうなるでしょうか。

静電気から起きる問題

静電破壊による品質不良、誤作動の発生

製造機械はアース、またイオナイザーを活用して静電気対策が施されていますが、作業者が静電気を持ち込むことがあります。作業者が製造エリア内で動くことにより、人体に静電気が帯電し、それが半導体や電子部品に放電されることで、静電破壊による品質不良を起こす恐れがあります。

静電気対策として帯電防止床塗料の検討

対策エリア全体に帯電防止床塗料を塗装することで、人体に帯電した静電気が高電位に達するのを防ぎます。作業者に溜まった静電気を床面からアースに逃がすことで、人体から放電され起こる静電破壊や品質不良を予防します。

静電気対策として帯電防止床塗装

（１）半導体・電子部品工場など指針値や抵抗値の規格を管理する工場

半導体工場や電子部品製造工程では、品質を確保するために、製造する環境の規格を厳しく管理しています。
こうした工場では、静電破壊や品質不良を予防するため、静電気対策としてアースに接地した帯電防止床塗装が有効になります。
静電服や静電靴と併用し、アースに接続された帯電防止床塗装を活用することで、静電気を確実に逃がし、放電を防ぐ環境を整えることが重要です。
特に、抵抗値の管理が厳しい半導体工場や電子部品工場では、抵抗値の範囲をコントロールできる「ノンスタテックスXPⅡ」の帯電防止床塗装が効果的です。
ぜひ、足元から静電気を逃がす帯電防止塗料の導入をご検討ください。

静電気は目に見えないから難しい。「これをやったら万全」ではなく複合的に対応すべき!

複合的に静電気対策を行うことによって、品質や安全性を確保することが可能です。
現場で問題が発生するということは、既存の静電気対策が不十分だったことを示しています。静電気は目に見えないからこそ、安全、安心、品質を守るための対応が不可欠です。
ぜひ静電気対策の導入をご検討ください。