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色の基準は決まっています!色見本帳の種類と使い方について
目次
はじめに
「白って200色あんねん」
ご存知アンミカさんの名言ですね。
アンミカさんはカラーコーディネーターの資格を持つため色に対する造詣が深く、ユニークかつポジティブなこの発言はSNSで話題となっていました。この直後「黒は300色ある」とも発言されています。
色には境目がなく「白」一つ取ってもくすんだ白や黄みがかった白など微妙に色合いが異なり、無限に拡がりを見せます。
そのため、床を緑で塗りたくて塗料を発注したとしても、発注者と受注者の間で緑の認識に違いがあり、想像と違った色で仕上がってしまう恐れがあります。
そこで、色の認識を明確にするための「色見本」が存在します。
色見本の種類
塗料や繊維などの色を選ぶ際に使われる色見本は、業界や用途によっていくつか種類があります。以下に代表的なものを挙げています。
- 1.塗料用標準色
- 日本塗料工業会が発行する日本で最も広く使われる色見本帳です。
「日塗工色(にっとこうしょく)」と呼ばれ、600色以上の標準色があり、建築・外壁などの塗料の調色時の基準となっています。
この業界では共通の色基準となっており、N-75や25-90Bなど色番号での指定が可能です。
- 2.マンセル色体系
- 色を色相(H)・明度(V)・彩度(C)で体系的に定義した、国際的に広く使われる化学的な色表現方法です。
JISでも採用されており、土壌色や色彩設計、学術研究などでも使用され、数値で論理的に色の構成を把握することができます。
- 3.RAL色見本帳
- ラルと呼ばれ、ドイツで企画された色基準です。
ヨーロッパで広く使われ、つや消しや光沢の表現もあり、建築・塗装・インテリア・自動車分野などで利用されています。
日本では海外製品との整合性をとりたい時に利用することがあります。
- 4.PANTONEカラーガイド
- パントン(パントーン)と呼ばれ、主に印刷やグラフィック、ファッション業界で使われます。
一つ一つの色に番号が割り振られており、番号を指定するだけですが世界中で共通の色認識を持つことができます。
色見本帳の使い方
どの見本帳を使うかは業種や目的、指定先のルールによってことなりますが、ここではこの業界で広く使われる日本塗料工業会の色見本帳の使い方を簡単に解説します。
日塗工の色見本帳を開くと、各ページこのように色の表示とアルファベットや数字が並んでいます。
➀「P22-80V」が赤い枠内の色を示す日塗工の色番号になります。
アルファベットと数字の意味をそれぞれ分解すると以下のようになります。
P:色見本帳の発行年記号。2024年度版は頭が「P」から始まります。
2019年度版は「K」、2017年度版は「H」と改訂されるたびにアルファベットが変わります。
22:色相区分(赤っぽい、黄色っぽいなどの色合い)を表します。有彩色の場合は2桁、無彩色の場合はNで表されます。
80:明度区分を表します。0に近いほど暗く、100に近いほど明るい色になります。
V:彩度区分を表します。A~Xまでの12個のアスファベット順で示され、彩度が高く鮮やかな色になります。
②「2.5Y 8/12」マンセル値
日塗工の色見本は上記で説明したマンセル値をもとに作られています。
赤い枠内の色をマンセル値で表すと、この色になるということを表しています。
このように調べたい色と色見本帳を並べて、何色が一番近いのかを調べるのが一般的です。
比色マスクを用いることで、周囲の色に惑わされず比色をすることができます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
適切な色見本帳を用いて色番号を調べることで、色の認識のズレをなくすことができます。
企業カラーや既存の床・壁の色を調べて、似た色に調色をすることも可能です。
本サイトでは工場内の配色方法や色のもたらす効果に関するコラムも掲載しております。
是非ご一読いただき、工場の塗装についてご検討ください。