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花粉の影響は人だけでない?塗料・塗装にも影響ある?
はじめに
花粉症でお悩みの方は多いと思います。今年(2025年)のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、昨年に比べて増加する地域が多いと予測されています。また花粉症の患者数も年々増えているようです。スギ・ヒノキに限らず、花粉は私たちの体調にさまざまな影響を与えていますが、「塗料」に対しても花粉の影響はあるのでしょうか?
皆様が気になる点は、大きく分けて以下の2つではないでしょうか。
① 花粉の飛散が多い時期に塗装していいのか?
② 既存の建物に花粉・黄砂・埃・塵等が溜まると、どのような影響があるのか?
また、飛散や堆積を考えると花粉だけでなく、砂(黄砂)・埃・塵なども同列に考える必要があります。
目次
①花粉の飛散が多い時期に塗装していいのか?
① については、ほぼ影響はないと考えて差し支えありません。
・高圧水洗などの工程で、既に付着している花粉は洗い流されます。
・また、洗浄後には飛散防止ネットなどにより、微粒子の花粉や埃の再付着がしにくくなります。
加えて、比較的粒子の大きな砂が溜まっている場合は、付着不良の原因とはなりますが、施工前に清掃などを行えば問題はありません。
②既存の建物に花粉・黄砂・埃・塵等が溜まる
② に関しては注意が必要です。
基本的には花粉・土・砂(黄砂)・塵などが溜まった状態を長期間放置すると、建物に影響が出てしまいます。
その一例として、「マッドクラック」という現象があります。
これは、花粉・土・砂(黄砂)などが建物表面に溜まり、そこに雨水が加わって泥状になった後、乾燥する過程で発生するものです。
泥が防水層の表面に接着したまま乾燥・収縮することで、表層に亀裂が生じる場合があり、状況によっては塗膜層を損傷させてしまうこともあります。
2つめの事例として、花粉に「ペクチン」という成分が含まれている場合です。このペクチンに水が含まれるとゲル化し、堆積すると汚れが付着しやすくなる性質があります。その状態を放置すると、塗膜の劣化が早まる可能性があります。また土・泥に含まれる「バクテリア」も、塗膜劣化を早くさせる要因の一つです。
まとめ
折板屋根や陸屋根は、花粉・土・砂(黄砂)・塵などが堆積しやすい場所であり、定期的な点検の難しい部分ではあります。しかし、建物の長寿命化や改修工事の周期をできるだけ延ばしたい場合には、定期的な点検を行い、不具合が見られた際には早めの対策を講じることをおすすめします。