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屋根の面積は床の面積とは違う

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はじめに

猛暑が年々厳しくなり、一部では「春・夏・猛暑・秋・冬」の5つの季節があると言われるほどです。この猛暑対策として、電力費の削減・作業環境の改善のために遮熱塗料を用いた屋根塗装も増えてきました。
塗装や補修・修繕工事をする場合の基本として、屋根の面積を正確に把握することは押さえなければならないポイントです。専門業者に依頼する場合は、㎡単価が設定されており、これに屋根の面積を掛け合わせることで工事費用の小計が算出されます。さらに、諸経費が加算され、最終的な工事金額が提示されます。一方で、自社で施工する場合は、塗料をどのくらい使うのかを判断するために、塗布量と面積を掛け合わせて算出します。

屋根の面積は「縦×横」で簡単に計算できると思われがちですが、実際には塗装しない部分を差し引くことが必要です。さらに、屋根には「係数」という補正値が存在し、これが計算に加わることで、より正確な面積を求めることが求められます。

目次

折板屋根

屋根というのは日常的によく見ている部分ではないかもしれませんが、工場などでよく見られる屋根のひとつに「折板屋根(せっぱんやね)」という金属・鋼板素材を折り曲げて加工したものがあります。これは、耐久性や耐候性に優れており、工場や倉庫などの大規模な建物によく使用されています。

耐久性が優れている折板屋根

折板屋根が錆びている様子

この場合の面積は縦×横×折板係数が塗装面積となります。

折板係数はどのように計測していくのかというと
①実測にて算出:1ピッチあたりの実際の長さを測定し係数を算出する。

②折板の山高(高さ)を測定・図面等より判別し算出する。
市場に出回っている折板は山高88mmタイプか150mmタイプのものが多いと言われています。その場合の折板係数はそれぞれ「1.44」と「1.69」になります。

ここで注意しなくてはおけないのは、折板係数は必ずこの2つの「88mmタイプ」「150mmタイプ」と断定できないことです。
以下の表はそれぞれの折半係数の目安となります。

形状山高上底下底角度折板係数
折板 はぜ締め188㎜63㎜200㎜66°1.56倍
折板 はぜ締め193㎜70㎜95㎜60°1.72倍
折板 はぜ締め165㎜83㎜50㎜60°1.82倍
折板 はぜ締め160㎜88㎜200㎜56°1.54倍
折板 重ね173㎜50㎜200㎜60°1.44倍
折板 重ね173㎜30㎜50㎜60°1.67倍
折板 重ね130㎜40㎜50㎜60°1.49倍
折板 重ね150㎜40㎜40㎜62°1.69倍
折板 重ね88㎜35㎜35㎜53°1.44倍

③ASシステムを使った3Dモデル化から測定
この方法は当社独自のシステムです。別コラムの「ドローンを使った屋根診断システム」のひとつに3Dモデル化があります。
折板屋根においてはこの機能は非常に有効となります

ASシステムの管理の様子

ASシステムの管理の様子

まとめ

このコラムでは折板の係数について説明してきましたが、屋根の形状は折板屋根だけではありません。
瓦棒屋根や素材が異なるスレート屋根(小波・大波など)さまざまなタイプがあります。
ただ、いずれの形状においても「縦×横」だけでは屋根の表面積にはなりません。実際の面積を算出するには、「係数」を掛け合わせる必要があります。複数の専門業者から見積りを取得した場合に、提示された面積の違いがあったとしたなら、その差はこの係数の算出方法や考え方違いによる可能性もあります。
屋根の形状ごとの詳細については、別のコラムで改めて紹介する予定です。

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