屋根
選ばれ続けて半世紀/工場屋根の大御所「瀝青質塗料」〜信頼性や安定性、価値のある存在〜
はじめに
皆様!突然ですが普段工場の屋根を意識して見る機会はあるでしょうか?
一般の方であれば、工場の屋根より個人宅の屋根に親近感が沸いているかもしれませんね!
私は職業柄、車を運転する機会が多いのですが、特に高速道路のような眺めの良い道路を走る際には、ついつい工場の屋根を意識して見てしまいます。
変わった色だな、社名が入っているな、ソーラーパネルが設置してあるなど、さまざまな視点で観察してしまいます。
実は、工場の屋根には、用途や環境に応じてさまざまな塗料が使われています。
今回の記事では、当社が扱う天然アスファルト系瀝青質塗料についてお話しをしたいと思います。
目次
瀝青質塗料とは
瀝青質塗料は、アスファルトや瀝青(れきせい)を基にした塗料で、主に防水性や耐久性を高めるために使用されます。瀝青とは、石油や天然アスファルトから得られる粘性のある黒い物質で、これを主成分として作られる塗料が瀝青質塗料です。
瀝青とは
歴青、瀝青 (れきせい)は天然または人工の炭化水素からなる化合物、またはこれらを含む混合物の総称です。非金属誘導体などを含む複雑な混合物であり、ビチューメン (ビチューム、ビチウメン、Bitumen)、 チャン (chian turpentine) とも呼ばれます。
6つの特徴
- 長期防食性:天然アスファルトの表層に、非常に細かいアルミフレークが鱗片状に重なりあって積層することで、酸素や水分といった発錆誘引物質の侵入を防ぎます。この構造により、長期間にわたって優れた防食性を発揮します。
- 耐久性:主成分の天然アスファルトは、アクリル樹脂塗料や合成樹脂塗料では密着しにくいとされている亜鉛鋼板にもよく密着します。また、長期間経過しても金属素地の膨張や収縮に柔軟に追従し、優れた耐久性を発揮します。
- 遮熱性、断熱性:塗膜表面のアルミフレークは、光反射性能が高く、また、天然アスファルトは熱が伝わりにくいため、カラートタンのままの場合より室内温度の上昇を抑えることができます。
- 防音効果:厚く柔軟な塗膜により、雨滴の衝撃音を緩和し、静かな室内空間を実現します。
- 温度変化に強い:アスファルーフは、激しい温度変化に対しても耐えることができます。
(−50°C←→+80°C各1時間で100サイクル異常ありません。) - 1回で厚膜塗装ができます:天然アスファルトを基材にしており、一般的なアクリル樹脂塗料の2倍以上の膜厚が得られます。(当社比)
以上の特長が挙げられます!
特に長期防食性に関しては一番と言ってもよいくらいのストロングポイントです!
沿岸地域での採用率が非常に高い理由も、この防食性にあります。そして、半世紀にわたって選ばれ続けてきた理由がここにあるといっても過言ではありません
製品
施工使用例
下地の状態 | 下地処理 | 下塗り | 塗布量 (kg/m²) | 膜厚 (wet) | 塗装間隔 (23℃) | 上塗り | 塗布量 | 膜厚 (wet) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 新トタン | ゴミ、ホコリは高圧水洗機等を用いて取り除き乾燥 | – | – | – | – | アスファルーフ | 0.40 | 340μ |
2 | 6ヶ月以上経過のトタン板(白錆) | サンドペーパー、ワイヤーブラシ等を用いて白錆を取り除くゴミ、ホコリは高圧水洗機等を用いて取り除き乾燥 | アスファルーフ プライマー | 0.30 | 240μ | 5日以上〜14日以内 | アスファルーフ | 0.40 | 340μ |
3 | 赤錆が発生している | サンドペーパー、ワイヤーブラシ等を用いて錆を取り除くゴミ、ホコリは高圧水洗機等を用いて取り除き乾燥 | アスファルーフ プライマー | 0.30 | 240μ | 5日以上〜14日以内 | アスファルーフ | 0.40 | 340μ |
※上記は施工仕様の一例です。詳細につきましては、必ず当社発行の製品カタログ・塗装仕様書等をご確認ください。
※素地、下地、旧塗膜の有無により施工仕様は異なります。
以上の仕様のように、新トタン、使用しているトタン、さらには赤さびが発生しているトタンなど、さまざまな下地に対して塗装することが可能です。
今回は、当社の製品「アスファルーフ」についてご紹介いたしました。
屋根の塗装は、床材の塗装とは異なり、自社施工が少し難しいかもしれません。
しかし、塗料の知識を身につけることで自社の工場にはどのような塗料が適しているか判別できるようになります。建物にあった塗料の選定をすることで、建物の寿命を延ばし、結果としてコスト削減や維持管理の向上にもつながってきます!